中小企業向け
攻略プランの策定
全国367万社。数は膨大、一社は小さく、届く手段は限られる。この市場のどこに人と金を置くかを、勘ではなく数字で決めるための土台をつくりました。
- Client
- 大手通信事業者/法人部門
- Period
- 4ヶ月・役員報告3回
- Role
- 設計・分析・報告まで一貫
- Output
- 報告書290頁/分析12点
※ 守秘義務に配慮し、クライアント名・個人名・競合各社名・自社分析の結果・販売実績および取引条件はすべて伏せ、進め方と考え方のみを再構成しています。数値は公表統計に基づく市場全体の値に限りました。ご面談では差し支えない範囲でより具体的にお話しできます。
4ヶ月でやったこと
- 三つの経路で施策を1年走らせたが、効いているか分からない
- 目標は総量でしか置けず、根拠が示せない
- リソースは声の大きい順に配られていた
- 市場を漏れなく分解し、狙う場所を数字で特定
- 優先度の物差しを固定し、誰でも検算できる形に
- いつ何をやるかのロードマップまで確定
物差しをつくる → 市場に当てはめる → 順番を決める。この三段で進めました。
「やってはいる。効いているかが分からない」
クライアントは中小企業市場でのシェア拡大を掲げ、直販・インサイドセールス・パートナーの三経路で、すでに一年間さまざまな施策を走らせていました。それでも社内に手応えがなかった。
施策が顧客セグメント単位で設計されておらず、なぜその顧客に、なぜその商材を、なぜその経路で当てるのかの裏づけが取れていなかったためです。
「施策が足りない」のではなく、「どこに当てるかを決める物差しが無い」状態でした。
物差しをつくり、当てはめ、順番を決める
いきなり施策案を出すことはしませんでした。順序を逆にすると、出した案の良し悪しを誰も判定できないからです。
棚卸しと課題特定
顧客セグメント×チャネル×アプローチの三軸で現行施策を一覧化。実施状況と実績を突き合わせ、課題を6つに集約し、それぞれに継続・改善・中止の判断を付けました。
市場の分解と的の特定
公的統計・独自アンケート・自社の販売実績を突き合わせ、市場を三層で算出。取り込み余地の大きいセグメントを特定しました。
施策の評価と順序づけ
競合とのギャップを踏まえて施策候補を整理。想定効果と自社リソースで優先順位を決め、ロードマップに落としました。
週次で定例を回し、役員報告を3回。初回報告での指摘を受けて、最終報告は構成ごと組み替えています。
市場を、漏れなく重複なく切る
最も時間をかけたのは分析の切り方そのものです。切り方を誤ると、その後どれだけ丁寧に集計しても答えが出ません。商材特性から逆算し、4つの分析軸と5つの集計項目を定義。単一集計とクロス集計を組み合わせました。
| 分析軸 | 集計項目 | その項目を選んだ理由(仮説) |
|---|---|---|
| 従業員規模 | 従業員数/1社あたり従業員数 | 利用者数に応じて課金する商材が主力。人が多いほど単価が伸び、1社あたりで見れば営業効率の指標にもなる |
| 売上規模 | 設備投資額/1社あたり設備投資額 | ITへの購買力を映す。1社あたりで見れば追加販売の余地を測れる |
| 業種 | 新規リース契約企業数 | 設備を実際に更新した企業数。「買う体力」ではなく「買った実績」で見る |
| 地域 | 上記の掛け合わせ | 営業拠点の配置と、投下する順序を決めるための軸 |
集計項目には必ず「なぜこの数字が有望さの代理指標になるのか」を明記しました。理由のない指標は、後で誰も擁護できません。
大きい市場ではなく、大きくて、まだ獲れていない市場へ
評価は、後から誰でも検算できる形にする
- 市場規模割合の大きい順に三等分して高中低を付与。極端に小さいものは機械的に対象外
- 成長率掛け合わせで評価し、データ不足時にどちらの軸で代替するかを事前に決めておく
- 予算額・着手時期独自設計のアンケートから評価。「分からない」は検討が進んでいない証拠とみなし低評価に
- 生存率差が出なかったため配点せず参考情報へ格下げ。効かなかった指標は、効かなかったと書き残す
抽出した層は机上で終わらせず、経営課題・ニーズ・推進部門・年間予算・着手時期・決裁者・接触チャネルまで肉付けし、営業がそのまま使える粒度に落としました。
納品したもの
報告書のほか、以降クライアント側で更新・再利用できるよう、分析ファイルは計算過程を残した状態で納品しています。