生成AIプロダクトを
活用した新規事業開発
記事データという資産はあるのに、売り物にならない。生成AI基盤と掛け合わせた法人向けサービスを一紙で立ち上げ、その手順を型に落として他紙へ複製しました。
- Client
- 地方紙ほか数社/自社は事業企画
- Period
- 複数年度・週次で運営
- Role
- 事業企画・提携推進を一貫
- Output
- 立ち上げ手順書・料金体系ほか
※ 守秘義務に配慮し、クライアント名・提携先名・製品名・個人名はすべて伏せ、金額・顧客数・削減時間は桁と単位のみを残しました。掲載しているのは進め方と判断の考え方に限られます。ご面談では差し支えない範囲でより具体的にお話しできます。
一紙で立ち上げ、型にして横に広げる
売れるプロダクトを作るのではなく、「売れる状態」を作る手順そのものを成果物にしました。
「記事データはあるのに、売り物がない」
地方紙は購読と広告が縮むなかで新しい柱を求めていました。一方、手元には他のどの生成AIも正確に答えられない「地域の最新ニュース」という独自データがあります。両者を掛け合わせれば、企業・自治体・教育機関に対して広報原稿の草稿づくりや議事録作成といった用途で使ってもらえる。この着想自体は一紙目で形になりました。
問題はその先でした。他紙にも同じニーズがあるのに、契約に至らない。理由を確認すると、詰まっていたのはプロダクトではなく「事業として立ち上げられる姿を、相手の社内で説明できる形にすること」でした。
「担当者レベルでは理解できても、経営者の合意までは至らない」
自分たちで売り切ってから、型にする
型づくりの前に実売の経験を取ることを原則にしました。売れると分かっていない手順を型にしても、渡された側は動けません。
型は資料ではなく運営で持ちました。契約の締結ではなく、その後の週次運営が事業を動かします。
「売れる状態」を4段階でつくる
新規事業の立ち上げを、思想ではなくタスクの束として定義しました。4つは順番に片づけるものではなく、並行して走らせて「営業開始」の一点に収束させます。
各タスクに「こちらがやること」と「先方に依頼すること」を必ず対で書いたことが要点です。相手の作業が止まると型全体が止まるため、依頼事項を最初に一覧で渡します。
| 段階 | 狙い | 主要タスク | 完了の目安 |
|---|---|---|---|
| 01 事業基盤 | 運営に必要な契約・規約・環境を揃える | ロゴ/料金体系/個人情報の方針/申込書/販売環境 | 販売店契約が締結され、規約と申込書が確定 |
| 02 製品 | 基盤を用意し、自社データで現地化する | 環境の払い出し/投入データの決定/投入プログラム/勉強会 | 自社データが投入され、出方を検証済み |
| 03 販売組織 | 営業基盤を整え、必要な知見を持たせる | 営業資料/営業勉強会/ロールプレイ/同行営業 | 自社の営業が自分の言葉で商談を進められる |
| 04 目標 | 定量目標と収益水準を確定する | 収益構造/販売戦略/定量計画/計画の修正 | プラン別の顧客数と売上の年次計画が引かれている |
どの段階も単体では売上を生みません。4つが同時に揃った日が営業開始日になります。
誰に、どの器で売るかを先に決める
販売先と提供形態の掛け合わせで、契約書の枚数・初期費用・構築期間・卸掛率がすべて決まります。だからプランは価格表ではなく、分岐条件として設計しました。
稟議が通る判断材料をつける
- 下限値だけを採る改善率のレンジのうち下限だけを使って削減時間を出す。上振れ側は使わない
- 他社事例と並べる公表されている効果事例と並べ、試算が的外れでないことを確認する
- 性質を明記する工数削減であってコスト削減ではないこと、再配分が前提であることを書き添える
プランは価格表ではなく、契約・環境構築・見積の分岐条件そのものです。
納品したもの
立ち上げるための資料ではなく、そのまま運用に投入できる実物を揃えました。営業に出る日から逆算し、必要なものが同時に揃っている状態を成果物としています。
横展開に使う型
- 事業セットアップ工程表 4段階×詳細タスク。依頼事項と所要期間を含む立ち上げ手順書
- 料金・プラン体系 セグメント別プラン、上限文字数、卸掛率、提供形態別の契約フロー
- 定量計画とロードマップ プラン別の累計顧客数・売上の年次計画と、導入前後のタスク一覧
現場がその日から使う実物
- 申込書・規約の雛形 共同利用の記載を含む契約文書一式
- データ投入の仕様と仕組み 項目定義、除外基準、半自動で投入する仕組み
- 営業資料と用途集 先方のブランドを用いた紹介資料、商談5段階との対応づけ
どれか一つが欠けると、話は進んでも事業にはなりません。